皆さんこんにちは。大阪府八尾市の陽だまり鍼灸整骨院 院長の森川です。
先日、ある患者さんからこのようなご相談を受けました。
「母親が２週間前から右肩が痛いと言っています。一時はマシになったものの、体操教室に行ったらまた痛みが出たみたいです」
「でも肩の痛みは動かさないとダメだと聞いたみたいで、頑張って動かすようにしているみたいですけど、大丈夫でしょうか？」
この方のように、肩の痛みは動かした方が良いと思われている方がおられます。
しかし、状況によっては逆効果になることもあります。
特に高齢者の肩の痛みは、適切な対処をしないと悪化する可能性があるのです。
そこで今回は、７０代女性に多い肩の痛みの原因と対処法についてご紹介します。
７０代女性の肩の痛みの原因とは
70代の女性が「右肩が痛くて腕が上がらない」と訴え場合、まず考えたいのが「腱板（けんばん）」のトラブルです。
腱板とは、肩関節を安定させ、スムーズに動かすための4つの筋肉の総称です。
年齢を重ねると筋肉の柔軟性が悪くなるため、傷ついたり、部分的に断裂することがあります。
この状態が「腱板断裂」で、高齢者の肩の痛みの大きな原因となります。
一般的には「スジを痛めた」と呼ばれる状態です。
腱板断裂には「完全断裂」と「部分断裂（不全断裂）」があり、そのどちらに該当するのかを見極める事が重要です。
「腱板断裂」と診断されても状態に差がある為、治療の方法なども異なります。
どんな動作で痛めやすい？身近な原因
腱板断裂は、日常生活の何気ない動作で起こることがあります。
例えば、
・高いところの物を取ろうとしたとき
・洗濯物を干す動作
・重いものを持ち上げる、引っ張る
・寝返りを打ったとき
これらの動作を繰り返すことで腱板に負担がかかり、少しずつ傷ついていきます。
さらに、加齢により筋肉がもろくなっていると、小さな負荷でも部分断裂が生じやすくなります。
五十肩と間違えやすい？他の病気との違い
肩が痛くて動かしにくい場合、多くの人が「五十肩（肩関節周囲炎）」を疑います。
しかし、腱板断裂とは異なる特徴があります。
|
症状 |
腱板断裂 |
五十肩 |
|
痛みの出方 |
突然、または徐々に強まる |
徐々に痛みが増す |
|
痛みの場所 |
肩の奥深く、腕に広がる |
肩全体が痛む |
|
発症年齢 |
６０代以降に多い |
４０～５０代に多い |
|
受傷原因 |
はっきりしていることが多い |
不明なことが多い |
腱板断裂では筋肉や腱が損傷しているため、腕を上げる力が極端に落ちます。
しかし、他の筋肉は機能しているため、ある程度は動かすことは可能です。
一方、五十肩は関節の炎症が主な原因であり、腕の動きが硬くなり、動かす事が困難な事が多いです。
治療法は？手術が必要なケースと保存療法
完全断裂になると、手術を選択することが多くなるでしょう。
しかし、高齢者の腱板断裂では部分断裂が多く、その場合は保存療法を選択する事が多くなります。
保存療法では最初の段階では安静にする事が必要です。
三角巾やサポーターなどを用いて肩の負担を軽減すると、より効果的です。
そして、痛みの程度を見ながらリハビリを行なっていきます。
これらは自己判断では難しいため、専門家に頼ることをお勧めします。
再発を防ぐためにできること
腱板断裂は、再発しやすいのが特徴です。
そのため、日常生活でのケアが重要になります。
①肩のストレッチと軽い運動を習慣にする
ストレッチと軽めの運動で筋肉の柔軟性を高める事が予防に繋がります。
②重い荷物を無理に持たない
重たい物を無理に持つと、筋肉がそれに耐えきれなくなり断裂が起こります。
③寒い時期は肩を冷やさないようにする
血流が悪化すると、筋肉が硬くなってしまい断裂の危険性が高まります。
④姿勢を正し、肩に負担をかけない
意外かもしれませんが、姿勢が悪くなることで肩への負担が大きくなります。
例えば、背中を真っ直ぐにした状態と背中を丸めた状態で腕を上げてみて下さい。
腕の上げやすさが異なると思います。
そして、姿勢が悪い状態で日常生活（洗濯物を物干し竿に干すや棚の上に荷物を乗せるなど）を送ることで、筋肉への負担が大きくなります。
これを繰り返すと、腱板断裂のリスクが上がるのです。
これらを意識することで、再発を防止する事が可能となります。
腱板断裂を経験された方は、ぜひ取り組んでみて下さい。
まとめ
今回は７０代女性に多い肩の痛みの原因と対処法についてご紹介しました。
母が「右肩が痛くて腕が上がらない」と訴えたら、単なる五十肩ではなく「腱板断裂」の可能性も考えましょう。
当院では、肩の状態に合わせて病院へ受診すべきか当院で対処出来るかを判断し、早期回復するために取り組んでおります。
また、再発させないように整体での歪みの改善にも取り組んでおります。
もし、肩の痛みでお困りで当院が近くの場合は、ご連絡お待ちしております。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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（監修：柔道整復師 鍼灸師 森川伸弥）
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